皆様こんにちは。コアネット教育総合研究所の岡田育也です。
東京では中学入試、高校の一般入試の時期となりました。受験生・保護者の皆様はもちろん、先生方も心落ち着かない日々をお過ごしかと思います。また、例年以上に体調の変化を気遣われる毎日かと思います。くれぐれもご自愛ください。
さて、昨年秋頃より、全国の公立・私立高校の先生方からご相談をいただく機会が増えています。その内容は「高校生にどんなタブレット・ノートPCを購入させたらよいか」というものです。GIGAスクール構想の進展により、全国の公立小・中学校にてタブレット端末の児童・生徒1人1台環境整備が行われましたが、公立・私立高校においても端末整備が進んでいます。
高校における標準的な端末整備のパターンは、各家庭で端末を持参する、BYOD(Bring Your Own Device。詳しくはこちらのリンクをご参照ください)形式のようです。公立高校の場合、自治体や教育委員会にて推奨スペックや機種が示される場合もあれば、各学校の判断に委ねられる場合もあるようです。
自治体や教育委員会、各学校で導入端末のスペックを検討する際、文部科学省がGIGAスクール構想にて示した「GIGAスクール構想の実現標準仕様書」を参照されている様子が窺えます。私自身も、OSの選択や画面の大きさ、カメラ機能などについては、標準仕様書に沿う形で問題ないと考えております。
しかし、この標準仕様書はあくまで「自治体が」「小・中学校で使用するため」の端末整備を行う際に作られたものです。各家庭が「個人で」「高校で使用するため」の端末を準備するという視点に立つと、やや現実に即していない部分が出てきます。
例えば、CPUやメモリという端末操作の速度や円滑さに関わる部品のスペックについては、小学校での利用を考えれば標準仕様書通りの基本的なもので問題ありません。しかし、高校で様々な学習アプリや授業動画、協働学習用のソフト、プログラミング教材等を使用していくことを鑑みると、小学生と同様のスペックで良いのかしっかり検討する必要があります。また、上記のソフトやアプリをあまり使用しないという学校においても、デジタル教科書の活用は今後課題となるはずです。デジタル教科書自体にも様々な機能が増えており、それらの機能をフル活用するための端末選びという観点が必要となります。
また、端末費用の設定にも留意する必要があります。標準仕様書やGIGAスクール構想の導入事例に沿って安価な価格帯を標準価格として設定してしまうと、各家庭で端末を購入する際の選択肢が極端に少なくなってしまい、混乱を招く危険性があります。GIGAスクール構想では全国の自治体において数万台単位の端末導入が行われることから、各メーカーもGIGAスクール構想専用の機種を準備し、特別価格にて提供されていました。一方、各家庭がBYOD形式で端末を準備する場合は、一般の家電量販店などで一般価格で購入することになるため、必然的に価格は高くなってしまいます。
こういった状況に合わせて、高校生に最適なスペックのタブレットやノートPCのご紹介やご助言をさせていただいたり、学校専用のECサイトを準備することで保護者が安価に端末購入をすることができる体制づくりなどをサポートさせていただいております。2023年度の新入生から端末整備が始まる公立高校の先生方や、私立学校にて上記のような端末導入方法に変更をお考えの先生方でお困りごとがあれば、お気軽にご質問などお寄せいただければと思います。