みなさん、こんにちは。コアネット教育総合研究所福本です。

先生方のなかでも、読まれた方が多くいらっしゃるのではないかと思いますが、
東ロボくんプロジェクトを担われた新井紀子さんが執筆された、
AI vs教科書が読めない子どもたち」を最近読みました。
衝撃的な内容で、考えさせられることがたくさんありました。

要するに、AIには東大合格は「いまはまだ」難しかったとしても、
MARCHレベルの学力は身につけられることが立証されており、
このことにより、その力に到達していない子どもたちは
将来AIに仕事を奪われてしまう可能性がある、
という問題提起を新井さんはされています。

その「力」のなかで、最も問題になるのが、
書かれている内容を正確に読み取るという意味での「読解力」とされています。
詳しくは、実際にこの本を手にとって読んでみていただければと思います。

この点、私もとても共感する部分があります。
よく、「算数や数学ができないのは問題文を理解できていないから」
ということが言われますが、この本を読んで、
なるほどやはりその通りなのかもしれないと、思いを新たにしました。

前回のこのブログで、
アクティブラーニング的な学びを実践するためには、
「知識」は必要な条件である、ということを書きました。
そこは、ひとつ欠かせない要素だと思いますが、
今回新井さんの著書を読んで、
そこに加えて「読解力」という「技能」もまた、必要な条件である、
ということにも気づかされました。

単純に知識をインプットするということでの知識量はもちろん大事なことですが、
例えば数学の公式や歴史の年号、歴代首相の名前を覚える、物理の等速直線運動を覚える、
といったこと以上に、意味や背景を理解する、
ということを含んで「知識」を習得するということであり、
そのためには「読解力」が欠かせないということでしょう。

私も漠然と、国語という教科のこれからのあり方に問題意識を持っていましたが、
この漠然とした問題意識が少し明確になった気がします。
ただ、ではどのようにすれば読解力が身につくのか、ということは、まだ分かりません。
次は、この問いと向き合ってみたいと思います。