こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。
一昨日、「Corenet New Education Fes 2017」というイベントで、アクティブ・ラーニングに関する講演をしました。
筑波大学の落合陽一さん、早稲田大学の鎌田薫総長という大物に挟まれ少し緊張しましたが、何とかお務めを果たしてきました。
そこでの問題意識は、「アクティブ・ラーニングがうまくいかないのは、学校組織としての仕掛けが不足しているために、推進が教師個人任せになっているからだ」というものです。
講演では、その仕掛けに注目し、以下の6つについて話をしました。
①ALの目的の明確化・共有(身に付ける資質・能力)
②到達目標への段階の明確化(ルーブリック)
③生徒のレディネスづくり(学習ルールと学習スキル)
④バックボーン・プログラムの構築(探究学習プログラム)
⑤教科の単元計画との連動(視覚化カリキュラムとカリキュラム・マネジメント)
⑥授業研究のシステム化(チーム学習としての授業研究)
現状、アクティブ・ラーニングは、それこそ主体的に取り組んでいるごく一部の先生方が先進事例を作ってくれているだけで、学校として組織的・計画的に推進できているところは稀です。
よく見聞きするのは、校長が「これからはアクティブ・ラーニングの時代だ。みんな積極的に取り組むように!」と号令をかけ、先生方はよくわからないけれど、とにかく取り組んでいるというパターンです。
これは最悪です。アクティブ・ラーニングを取り入れることが目的化しています。こうなると、意味のないグループ活動などが横行します。
アクティブ・ラーニングは目的ではありません。目的は、生徒に○○という資質・能力を身に付けることであって、その手段としてアクティブ・ラーニングがあるのです。
つまり、この○○が重要なのです。
まず学校として、生徒たちにどんな資質・能力を身に付けさせたいのか、目的(学習目標)を明確にしなければなりません。ここがスタートです。
このように管理職の仕事は、アクティブ・ラーニング推進のための組織的な仕掛けを作ることです。
残りの5つの仕掛けは紙幅の関係でここには詳述しませんが、今後、このブログ内でも少しずつ述べていきたいと思います。
また、当日の講演で使用した資料がほしいという先生がいらっしゃいましたら、コアネット教育総合研究所までお問い合わせください。学校の先生に限って、特別に(そんなにもったいぶるほどでもないですが)お分けいたします。