こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。

世界的なコンサルティング企業「マッキンゼー&カンパニー」が今年3月、コロナ禍におけるリモート学習の効果についての国際比較調査の結果を発表しました。オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、日本、英国、米国の8ヶ国の教師を対象に、昨年10月下旬から11月上旬に調査を行ったものです。
調査レポートはこちら

その中にこんな質問がありました。
How effective was remote learning in the spring compared with in person learning?
春に実施したリモート学習(授業)は、対面学習(授業)と比較してどの程度効果的でしたか?

日本の教師の回答の平均値は10点満点で3.3点でした。対面授業の3分の1ぐらいの効果はあるという評価でしょうか。

他国は、オーストラリア=6.6、ドイツ=6.1、カナダ=5.6、中国=5.4、英国=4.9、フランス=4.6、米国=3.5、で一番低いのが日本=3.3でした。

オーストラリアが高くて日本が低いという結果を見ると、そもそも学校でのICT活用が進んでいたかどうかが影響しているのかもしれません。

しかし、私はこう解釈しています。
日本では、そもそも対面授業の質(教師の技量)が高かったため、オンラインになることでそれが損なわれると教師が感じているのではないか、と。

教室の空気を読み、児童・生徒一人ひとりにも目配りをして、話す内容や進度を臨機応変に変えるなど、うまく授業を運ぶ技術は、日本の教師が世界一なのではないかと私は思っています。
それがオンラインでは難しくなると感じてしまうのも仕方がないことでしょう。

今日の一部報道によると、大阪市立小中学校では、非常事態宣言が発令されれば、またオンライン授業に切り替えるという方針だそうです。

3分の2が棄損される(と教師が思っている)オンライン授業がいつまで続くのか。コロナ禍での緊急対応なのか、ニューノーマルな学校ではオンライン授業も普通になるのか。我々は慎重に考えていかなければなりません。