こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。
NHKで放映している「知恵泉(ちえいず)」という番組が好きでよく見るのですが、今日はそのお話です。
歴史上の人物を一人取り上げて、その人の生き方からいくつかのヒントを得るという番組です。と言っても、番組の内容についてお話をしたいのではなく、そこに登場していたゲストの方について興味を持ったというお話。
稲垣えみ子さんという方です。朝日新聞で論説委員、編集委員まで務めた方なのですが、50歳で突然早期退職し、その後フリーランスで働いているとのこと。ネットでプロフィールを検索してみると、私と同じ大学、同じ学部の2つ上の先輩だということが分かり、ちょっと親近感がわきました。
と、そんなことはどうでもいいのですが、興味を持ったのは、「超節電生活」と称して、電気を極力使わない生活をしていることです。
家にはテレビも電子レンジも冷蔵庫もエアコンもないそうです。月の電気代は200円とか。
そして、「なるほど」と思ったのは、その節電生活のきっかけは、東日本大震災の原発事故なのだそうです。原子力に頼らなければ足りない電気なんて使わない方がいいと思ったそうです。
そうですね。そういう風に考えた人も多いと思います。でも、こんなに思い切って家電製品の使用をやめた人は他にはいないと思います。私だって、その当時は節電しなきゃって思いましたが、ほとぼりが冷めれば、ちょっと暑ければエアコンをつけるし、食べるものがなければコンビニで冷凍食品を買ってきてレンチンしちゃいます。
でも、稲垣さんによれば、そんなミニマム生活もやってみれば楽しいし、幸せなのだそうです。近所の八百屋さんや豆腐屋さんが冷蔵庫がわりだし、家に書斎がなくても近所のカフェに行けばいい、家にガスがなくても近くに銭湯がある、というわけ。自宅マンションの窓から外を見て、「街全体が我が家」という言い方をしていましたが、近所づきあいというコミュニケーションが生まれ、楽しいのだそうです。
稲垣さんは東日本大震災を契機に、それまでの物欲生活からミニマム生活に見直し、幸せを手に入れました。いま、また私たちはウイルスのパンデミックという、これまでの生き方を見直すチャンスを得ました。ここでどんな見直しをしましょうか。
毎晩の赤提灯通いをやめましょうか。
お休みの日のデパートでの買い物をやめましょうか。
通勤をやめましょうか。
やらなくなってみたら、そもそも本当に必要だったのか疑問に感じるものも少なくありません。
お金があれば何でも買える。お金を払えばどんなサービスでも受けられる。経済優先、経済成長第一。・・・本当にそうでしょうか。
今年のGWはどこにも行かずに家にずっと居ましたが、それでもそこそこ楽しく過ごせるし、むしろゆったりした時間を過ごせるのは幸せなものです。
これまでは、ちょっとでも休みの日があれば、あれをしなきゃ、これをしなきゃ、と自分で自分を追い立てていましたが、そんな強迫観念もなくなり、穏やかに過ごせました。
みんな、よく考えましょう。
幸せって何だっけ。