こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。
ニフティ株式会社が「キッズ@nifty」で「好きな教科・苦手な教科」に関するアンケート調査を実施し、5月13日に調査レポートを公開しました。調査対象は小中学生。ここでは、中学生についての調査結果を少し紹介しましょう。
調査結果はこちら
まず、好きな教科から。ここでは「次の教科の中で一番好きなのは?」と聞いていますから、1つだけ回答させる形式でしょう。そして、選択肢は、「国語」「数学」「社会」「理科」「英語」です。実技教科は別質問で聞いています。
結果は、1位「数学」21%、2位「社会」20%、3位「国語」19%、4位「英語」17%、5位「理科」12%で、「好きな教科はない」が12%でした。
一方、苦手な教科は、1位「数学」35%、2位「社会」18%、3位「英語」16%、4位「国語」11%、5位「理科」11%、「苦手な教科はない」10%という結果でした。
結果を見ると、「好き」も「苦手」も数学が1位、社会が2位です。そして、「理科」はいずれも最下位でした。調査は「好きvs嫌い」「得意vs苦手」という対義語で聞いていないので、好きだけど苦手なんていう子もいるかもしれませんが、その可能性を排除して考えると、数学や社会は好きな子と苦手な子に大きく分かれる教科で、理科は好きでも苦手でもない「ふつう」の子が多い教科ということになると思います。
苦手な理由も聞いているのですが、「内容がよくわからない・難しい」が50%近くを占める大きな理由となっていますので、数学は、理解している子にとっては面白く好きと思える教科なのだが、理解できなくて苦手と思う子も多い教科なのだと思います。社会は理解ができないということは少ないような気がしますので、暗記が苦手ということなのではないかと思います。
理科はどうなのでしょうか。苦手でもないけれど好きでもないということです。実は、小学生では好きな教科の2位(20%)なんです。中学校になると好きな比率が半分近くまで下がってしまうということです。(苦手は、小学生9%、中学生11%)
確かに小学生は理科が好きです。自然に対する不思議やモノづくりの楽しさが興味関心を高めるのだと思います。でも、中学生になると難しくなるんでしょうね。物理などは抽象度が高くなりますので、急に理解が難しくなります。
全般にも、小学生は「苦手な教科はない」が20%なのに対して、中学生は10%まで減ってしまいます。そして、好きな教科ほど学習量が多いという結果も出ています。
恐らく、この傾向は、高校生になるともっと強くなるような気がします。
難易度が上がると興味関心が薄れる、そうなると学習量が減り、もっと難しく感じるようになる。で、もっと興味関心が薄れ学習量が減るという悪循環になってしまいます。
このサイクルを断ち切るために、これまでは学習量を増やすことから始めようとしていましたが、もしかしたら、まずは興味関心を高めることなのではないかと思ったりします。探究学習の促進はそんな意味もあると思います。
面白く感じる、興味関心を持てる学びを実現してあげられるといいですね。