こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。

先週末に2021年度の大学入学共通テストが行われました。大学入試センター試験を廃止し、大学入学共通テストを導入することは、文部科学省が推進する高大接続改革の大きな施策の一つでした。その初回となった今回のテストは大きな混乱もなく無事実施されました。

大学入学共通テストの目玉は、より「思考力・判断力・表現力を問う」問題に変更することでした。当初検討していた記述式テストを取り入れることができなかったので、「表現力を問う」という点では実現は難しかったと思いますが、「思考力・判断力を問う」ということに関しては、科目による差はあるものの、それなり実現されたと言えるでしょう。

地理・歴史や理科分野の科目では、資料や図表から読み取って思考・判断するような問題が増えていますし、英語でも一問一答形式の問題はなくなり、すべて読解問題になりました。

日常の事象を題材とした出題をして思考させるという方針もありましたが、英語の素材文が携帯メールでのやり取りやオンラインの掲示板になっていたり、数学Ⅰでは100m走においてタイムが最小となるストライド、ピッチを求める問題が出題されたりと、変化を感じられるものでした。
一方、国語は、試行調査では実用的な文章が出題され、大きな変化が予想されていましたが、ふたを開けてみたら、評論と小説という従来のセンター試験と変わらない出題で、ちょっと肩透かしでした。

予備校の調査では各科目の平均点が昨年のセンター試験から大きく変化をしておらず、出題者もよく難易度を調整してくれたと思います。逆に、この形式の出題が定着すると、今後高校生が思考力・判断力を重視した授業を受けてくることを考えると、もっと得点をとれるようになっていくと思います。

高大接続改革というと、急激な変化を求めてしまいますので、あまり変化がないという世間の評価も多いと思いますが、私から見るとまずまずの第一歩を踏み出せたのではないかと思っています。

2022年度から高校の新しい学習指導要領が導入されます。その高校生たちが大学受験をする2025年度入試には、二次試験も含めた大幅な大学入試改革を期待しています。若者たちが時代に即した資質・能力を身に付けられるよう、今後の教育改革にも注目していますし、私も微力ながらお手伝いをしていきたいと思っています。

まずは、受験生たちは一つの大きな山を越えましたね。お疲れさま!