こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。

「サラリーマンは気楽な稼業と来たもんだ」とクレージーキャッツが歌ったのは、今から60年前のことです。
以来、サラリーマン(会社員)は、会社でモーレツに働いて(こき使われて)、家に帰るとグータラしている悲哀ある存在になっていたと思います。子どもから見ても、会社員であるお父さんやお母さんみたいにはなりたくないという反面教師のように思われてきたんだと思います。

ところが、先日Yahooニュースで、「なりたい職業、男子の1位に『会社員』が浮上…コロナ禍が影響?」というタイトルを見て、ちょっとビックリしました。

第一生命が調査した結果によると、小学生男子の「大人になったらなりたいもの」で、「Youtuber」(第2位)、「サッカー選手」(第3位)をおさえて、「会社員」が堂々の第1位になったというのです。

第一生命研究員のコメントとして「この背景には、コロナ禍で在宅勤務が広がり、親の働く姿を身近にみるようになったこともあると思います。親の背中を見て、自分も『会社員』として頑張ろうと、子どもながら現実的に考えているのかもしれません」とありました。

でも、「会社員」ってさすがに範囲が広すぎますよね。Youtuberやサッカー選手のように狭いカテゴリーと比べちゃダメですよね。「銀行員」とか「商社マン」とか「メーカー」ぐらいの範囲にしてくれれば、まだ比較もできますけど。
それに、昨年までのデータは、幼児から小6までを対象にした調査だったのが、今年は小4~小6と対象が変わっています。
ニュースで「浮上」なんていう言葉を使うから、昨年より順位が上がったということなのかと理解していましたが、対象も方法も異なる別物のアンケートだったのです。昨年は「会社員」という選択肢すらなかった可能性もあります。
(今年の調査は中高生にもアンケートをしていますが、中学生も高校生も男女とも第1位はぶっちぎりで「会社員」です)
調査結果はよく見ないと真実を見失いますね。

でも、研究員の方がおっしゃるように、在宅勤務によって会社員のお父さんやお母さんが本当に反面教師からヒーローに変わったのなら、そんなに嬉しいことはないです(いち会社員として)。

冒頭のクレイジーキャッツの歌の続きを知っていますか?

「二日酔いでも寝ぼけていても、タイムレコーダー、ガチャンと押せば、どうにか格好がつくものさ」

タイムレコーダーなんてない自宅でも格好よく仕事をしていたいものですね。
子どもの憧れの存在になるように。