こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

先日、東北地方のある私学の校内研修会でルーブリックに関する話をさせていただきました。
学校としての教育目標をベースに3年間で身に付ける資質・能力を項目化し、それぞれに評価基準を5段階で表しましょう、という演習を含めての研修でした。

今回はルーブリックを作成するための研修を行ったのですが、本当はルーブリックを使ってどのように評価を行うのかが難しいのです。
ルーブリックは、身に付けるべき資質・能力が明確化されるという意味では、目標の明確化が一つの目的です。その意味では、ルーブリックを作成し、それを生徒に明示すれば目的が達成されます。一方、もう一つの目的は評価基準の明確化です。ルーブリックをモノサシにして評価するということです。

ルーブリックは「何ができるようになったのか」を評価するものです。つまり評価対象は「発揮した能力」です。授業中にその能力を発揮する場面がなければ評価することができません。
例えば、「プレゼンテーション能力」という項目であれば、授業中にプレゼンテーションを行う機会がなければ評価できません。「議論する力」という項目であれば、授業中に議論する場面を作らなければなりません。これを「パフォーマンス課題」といい、このパフォーマンス課題に取り組んだ生徒の行動や様子をもとに「パフォーマンス評価」を行います。

では、「判断力」など目に見えにくい能力についてはどうでしょうか。
「判断力」という抽象的な力を発揮する場面を授業中に作らなければなりません。
これは教師が綿密に授業設計をする必要があります。学習指導案を詳細に作成し、その授業展開の中に判断力を発揮する場面を入れ込むのです。例えば、いくつかの条件を踏まえて答えを選択するような場面などです。
そうなると、毎回の授業の中でルーブリック項目の評価を行うのは難しいと思います。私は単元ごとに、目標として2~3個のルーブリック項目を設定して、単元のいずれかの授業の中でパフォーマンス課題を取り入れることを推奨しています。つまり、単元指導計画を作成して取り組むということです。

評価方法は、まずは自己評価や相互評価が良いと考えます。40人クラスにおいて一人ひとりのパフォーマンスを教師が見とることは難しいです。まずは、自分で評価させ、生徒同士お互いに評価させます。自己評価や相互評価は生徒のメタ認知力を育てます。初めのうちは、自己評価が甘かったり、辛かったりと評価がブレてしまいますが、自己評価や相互評価を繰り返すうちに、メタ認知力で客観的な視点で評価ができるようになり、正しい評価に近づいていきます。もちろん、そのためには、時々教師からのフィードバックやアドバイスをしてあげることも必要です。

ルーブリックの活用については、まだまだポイントがたくさんあります。このブログでもボチボチご紹介していきます。