こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。
新しい学習指導要領では「探究」が重視されています。いま、探究学習をどのように自校のカリキュラムに取り入れようかと悩んでいる学校も多いと思います。私は、探究学習の形態を考えることはもちろんのこと、探究学習を行う下地の整備が大事だと考えています。
探究学習をより効果高いものにするためには、生徒の学習観の転換が必要だと思います。学習とは「教えられるもの」ではなく「自分で考え問題解決するもの」、問題は「与えられるもの」ではなく、「自ら問いを立てるもの」と認識を変えなければなりません。
中学校や高校で学習するためには、小学校や中学校で学ぶべき相応の知識が身に付いていないと困るので、入学試験があります。そうなると入試のための知識詰込みの勉強が必要となります。そして、生徒はそれが学習なのだと勘違いします。
昨日、ある私立中高一貫校で探究学習をテーマとした校内研修を行いました。「探究とは何か」「なぜ探究が必要なのか」といった講義を行ったあとに、「本校で探究にどのように取り組んでいくか」というグループディスカッションを行いました。
講義の中で、生徒の学習観の転換が必要だという話をしたところ、後半のディスカッションの中で、ほとんどのグループが「生徒の意識転換のためには、まず教員の意識転換が必要だ」という話し合いをしていました。
その通りです。そのことに気付いてくれただけで今回の研修は成功だ!と私は心の中で叫びました。
私学、それも中高一貫は、保護者から「面倒見の良さ」を期待されています。そして「面倒見」という名のもとに「教え過ぎ」「与え過ぎ」「導き過ぎ」の指導が行われているのが現状です。それを変えない限り、形だけ探究学習のプログラムをつくっても効果がありません。
主体性が大事と言いながら、主体性を発揮する機会をはく奪しているのです。
まずは、時代が求めている学校のパラダイム転換について理解しましょう。そうすれば自ずとどのような教育をしなければならないのかが見えてきます。
はい、後は先生自らが探究してください。――「本校にとって必要な教育とは」