こんにちは。コアネット教育総合研究所松原和之です。

先週、日本教育社会学会の「アクティブ・ラーニングの教育社会学」公開研究会に参加しました。

研究報告したのは、帝京大学の井上義和准教授、東京大学の小方直幸教授、国立教育政策研究所の濱中義隆総括研究官の3名でした。その場での研究報告や質疑応答については、詳しくは述べませんが、趣旨としては、高等教育におけるアクティブ・ラーニングの隆盛という現象について考え、それを理解するための共通言語を作る、あるいはその手がかりを得ることが狙いとのことでした。

感想としては、論点が明確にできず、1つの方向性に収斂しなかった印象でした。理由として考えられるのは、そもそもアクティブ・ラーニングが教育社会学として扱うテーマとして適切なのかどうか、ということです。

教育社会学は、教育を社会事象としてみて実証的にとらえ、理論的法則を明らかにしようとする学問です。つまり、アクティブ・ラーニングを教育実践として捉えてその方法や理論を研究するのではなく、社会事象として捉えて研究しようというのです。

そうなると、そもそも何故アクティブ・ラーニングが高等教育において隆盛となっているのか、その現状はどのようになっているのか、教育現場(教授や学生たち)や社会全体に与える影響はどのようなものか、といったことをもっとつまびらかにしておく必要があったのではないかと思います。

でも、この研究会に参加してとても良かったと思っています。普段ともすると視野が狭くなりがちです。これらかの学校教育を考える際に、アクティブ・ラーニグを前提として、いかに導入していくか、いかに効果を発揮させていくかを考えてしまいます。
しかし、もう少し視野を広げ、アクティブ・ラーニングを相対的な位置に置いてみることで、長期的な社会の流れを意識して考えることができそうです。

この機会を得て、私なりに色々と考えたことはあるのですが、ブログで長々と書くわけにも行かないので、また機会をみてぼちぼち語っていきたいと思います。