こんにちは。コアネット教育総合研究所の松原和之です。
本日は東京・神奈川の私立中学入試の初日です。寒空の下、早朝から小学校6年生が決戦の日に挑みます。
今年の首都圏の中学入試の概況としては、受験生全体としては昨年並みか、少し増えているぐらいの人数ではないかと思います。
今年の特徴としては、大学附属校の志願者が増え、女子校の志願者数が減っていることです。
2021年度入試から大学入試が大きく変わることが予定されており、大学入試の先行き不透明感から手堅く大学附属校を狙う傾向にあるのだと思います。
女子校の人気低下もあり、この4月に女子校から共学校に変わる学校も3校あります(青山学院横浜英和、八雲学園、文化学園大学杉並)。
一方、女子校の志願者が減っているおかげで、中堅の有名伝統女子校が合格しやすくなっており、女子の受験生にとってはチャンスだと思います。
難関校に目を向けてみると、東京の男子校・女子高の御三家といわれる中学校の志願者数は、以下の通りです。
■男子校
麻布(定員300名)、昨年度志願者数967名→今年度志願者数933名、倍率3.1倍
開成(300)、1195→1234、4.1倍
武蔵(160)、592→548、3.4倍
■女子校
桜蔭(定員235名)、昨年度志願者数516→今年度志願者数533、倍率2.3倍
女子学院(240)、676→760、3.2倍
雙葉(100)、366→307、3.1倍
こうやって見てみると、男子では開成中学校、女子では女子学院中学校の人気が高まっていることがわかります。
開成は、昨年度20名の海外大学合格者を出し、柳澤校長のもとグローバルに活躍できる人材の育成に舵を切ったことが人気の一因となっています。もちろん東大合格者数は圧倒的な強さで長年1位を続けているのですが、それでは飽き足らない生徒たちは世界の有名大学を目指し始めています。
女子学院は、特に派手に新しいことに取り組んでいるアピールはないのですが、昔から英語教育を中心に授業の質には定評があり、また他校に比べて自由でのびのびとした校風が、いまの時代に合って人気になっているのかもしれません。
いずれにしても、今年受験している子どもたちは、目標としている学校に無事合格できることを祈っています。
また、来年以降受験する子どもたちには、多くの私学を見てほしいと思っています。
私学にはそれぞれ特色があって、偏差値だけでは分からない魅力もたくさんあります。色々な学校の情報を集め、学校を訪れてみて、自分に合った学校を探してほしいと思います。
合格に向けて一所懸命に勉強することも大事ですが、無理をせず自分の実力で受かる学校の中から気に入った学校を見つけて、そこで中高6年間自分に合った学校生活を送るのも良い選択だと思います。
これから社会の変化も激しく、大学入試も激変します。いま評価されている学校が今後も時代に合った教育を提供してくれるとは限りません。
自分の目で、自分に合った学校選びをすることが主体的に学ぶための第一歩です。
自分の判断で自分の道を拓くことは、一心不乱にただ勉強することよりも、人生にとっては大事なことかもしれませんよ。
<早朝の女子学院中学校前。たくさんの塾の先生方が受験生の応援に駆けつけていました>